Bluetooth 4.0はBluetoothにあってBluetoothにあらず?

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Bluetooh 4.0の前途は輝きに包まれている?

 Bluetooth4.0が公式にリリースされました。ボタン電池1個で1年以上の稼働を望めるようになる省電力性を強化したバージョンで省電力Bluetooth(Bluetooth low energy / BLE)とも呼ばれています。
 いくつかのメディアではこれからの数年でワイヤレス機器のほとんどはBluetoothに統一され、巨大な市場になるのではないかという予測がなされています。

 Bluetooth4.0はこれまでのBluetoothとは異なり、さまざまな機器への応用が期待されています。
 血圧計や体重体脂肪計といった健康管理機器、あるいは万歩計・サイクルコンピュータといったスポーツ関連機器をPCや携帯電話と接続して、取ったデータをblogやクラウドサーバに送ってダイエットや医療に活かそうというような用途がひとつ。
 また、無指向性(赤外線のようにリモコンをテレビに向けなくてもいい)である特性を活かしてAV用リモコンなどにも搭載が期待されています。
 たとえばPlayStation3用のBDリモートコントローラはBluetooth 2.0搭載のものですが、無指向性ということもあって非常に便利です。

 この他にも省電力という特性を活かして、Bluetooth 4.0はさまざまな機器に搭載されることでしょう。腕時計にも搭載が期待されていますし、個人的には調理系の白物家電にも搭載されるのではないかと考えています。
 省電力Bluetoothの未来は輝きに満ちているように思われます。

 しかし、注意してください。
 省電力Bluetooth、Bluetooth 4.0は正確にはBluetoothではないのです。

 これまでのBluetoothはバージョンを気にすることなく接続することができました。
 Bluetooth 1.2のヘッドフォンをBluetooth 2.1+EDRの携帯電話に接続することもできましたし、その逆も可能でした。
 もちろん、1.2の機器で2.0や2.1で加えられた新機能を使うことはできませんでしたが、接続して主たる機能を使うことはできました。

 しかし、Bluetooth 4.0はこれまでの機器とは異なります。
 互換性がないのです。

 元々、Bluetooth4.0とはWibreeという規格として2006年に立ち上げられたもので、Bluetoothを補完する意味合いの大きな規格だったために翌2007年には統合されることになりました。
 しかし、そもそもが異なる規格であったために、Bluetooth4.0としてリリースまでに3年を費やすこととなってしまいました。
 かつ、WibreeとBluetoothの統合は有機的なものになりませんでした。

Bluetooth 4.0=Wibree≠Bluetooth?

 健康管理機器、リモコンといったBluetooth4.0対応機器にはシングルモードと呼ばれるチップが搭載されます。
 このシングルチップが通信できるのは省電力Bluetooth同士のみ。
 一方、PCや携帯電話のようにデータを受ける側はこれまでのBluetoothと互換性のあるデュアルモードと呼ばれるチップが搭載されています。デュアルモード、つまりふたつのモードが搭載されています。すなわち、Bluetooth4.0と通信するモード、およびBluetooth3.0以前と通信するモードのふたつ。


 つまり、省電力Bluetoothは以下のような規格になっているのです。

■シングルモード
 省電力Bluetooth対応機器に搭載されるチップ。
 省電力Bluetoothのみの対応。Bluetooth3.0や2.1(+EDR)とは接続不可能。

■デュアルモード
 PCや携帯電話に搭載されるチップ。
 旧来のBluetooth3.0以前と、省電力Bluetoothに両対応している。ただし、3.0との組み合わせも、2.1(+EDR)との組み合わせも許可されているので、4.0対応のチップが3.0に対応しているとは限らないのがこれまた微妙なところ。

 日経BPにあるWibreeの用語解説にイラストでBluetoothとWibreeの棲み分け図というものが掲載されていますが、これがそのままBluetooth3.0以前とBluetooth4.0の違いとなります。
 極言してしまうと名前だけがBluetoothとなっている別規格(Wibree)が搭載されているのですね。

 ただ、別にこれを「詐欺だ!」とかなんとか糾弾するようなつもりはありません。
 実用上の問題があるかというと、おそらく非常に少ないでしょう。

 ただ、消費者である我々は気をつける必要があるということです。

 おそらくBluetooth 4.0が搭載された機器が販売されるのは今年末から来年にかけてから。
 携帯電話販売におけるインセンティブ制度が変更されたために、携帯電話やスマートフォンの所有サイクルは以前よりも長くなっています。
 現在の携帯電話に搭載されているほとんどのBluetoothのバージョンは2.1+EDRとなっています。
 Bluetooth4.0対応製品を、現行の手持ちの携帯電話とあわせて使いたいと思っても、できないという可能性は十分にあります。

 ま、こういった障害はあっても、Bluetoothの行く末は輝くはずです。
 なにしろスケールメリットがこれまでの数倍から十数倍になると予想されているからです。

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One Response to “Bluetooth 4.0はBluetoothにあってBluetoothにあらず?”

Bluetooth SIG、省電力Bluetooth4.0対応機器に『Bluetooth Smart』のトレードマークを掲示 | Bluetooth ManiaX on 10月 26th, 2011 9:58 PM:

[...] 参考エントリ ・iPhone4SのBluetoothは4.0……Bluetooth2.1のヘッドセットはつながるの? ・Bluetooth 4.0はBluetoothにあってBluetoothにあらず? [...]


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