Bluetooth 3.0がもたらす高速ワイヤレスの世界

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Bluetooth 3.0は我々に何をもたらすのか?

0904104月21日に予定されているBluetooth 3.0の公式な発表まで、あと1週間ほど。

今回のメジャーアップデートは世界でも注目を受けており、IT専門誌やそのサイトは言うに及ばず、日本の一般紙までもIT欄などでピックアップしているほどです。

今日はBluetooth 3.0がどのような変化を及ぼすかを軽く書いてみたいと思います。

まず、目玉とされている「Alternate MAC/PHY」について解説してみましょう。これは「Bluetooth over IEEE802.11」という名称が示すとおり、Bleutoothを通じて無線LANでコンピュータ、スマートフォン、PDAなどを接続する機能です。

いくつか誤解しているサイトもあるようですが、ここでいうIEEE802.11というのは初期の2Mbpsの無線LAN規格ではなく、802.11a/b/g/nなどを内包した総称のことです。相互にどのプロトコルがあるかによって異なってくるので、このような呼称になっていると理解してください。

さて、これまでのBluetoothは最新の v2.1+EDRを利用しても規格上の最高通信速度は3Mbpsでした。これでは数MBのファイルのやりとりをするのがいいところで、それ以上のやりとりはとても現実的ではありません。

実際、Bluetoothをインターフェイスとして持っているモバイルプリンターのWasabi PZ310などを使う際には、事前に画像のサイズを小さくしてから送る必要がありました(大きなファイルでも送れないことはありませんが、下手をすると受信だけで数分もかかったのです)。

Bluetooth + 無線LAN = 高速化PAN

しかし、Bluetooth 3.0に対応すればすべてが変わります。ここではPCとスマートフォンを接続することを考えてみましょう。

まず、Bluetooth本体はPCとスマートフォンとを認証し、接続をする役目を持ちます。ペアリングはBluetoothの役目で、これまでと変わりません。その後、これらPC←→スマートフォン間で大きなファイルのやりとりがあると判断されると、無線LANでPCスマートフォンを接続し、ファイルのやりとりを行います。そして、ファイルのやりとりが終了すると、電力消費を減らすために無線LANによる接続は終了します。Bluetoothでの(低消費電力な)接続は継続されます。このやりとりはすべて自動で行われ、ユーザーが切り替えを意識する必要はありません。

これまで、無線LANで直接スマートフォンとPCを接続する方法はないわけではありませんでしたが、いわゆるアドホック方式で直接的に接続することはできませんでした。これまでUSBメモリなどでやりとりしていた大きさのファイルも、ワイヤレスで直接送ることができるようになります。

なお、送受信のどちらかが無線LAN機能を搭載していない場合は、当然ではありますがBluetoothのみで接続がされるようになっています。

Bluetooth 3.0の速度はどのくらい?

ここで気になるのは「Alternate MAC/PHY」、「Bluetooth over IEEE802.11」、もしくは「Bluetooth x10」において想定されている通信速度です。International CES2009でのデモンストレーションによると、現状でBroadcomという会社のBluetooth 3.0対応チップを搭載したPCからスマートフォンへのファイルコピーでは24Mbpsの速度を出しているデモが行われていました。


1GBのファイル転送に必要とされる時間は5分半~6分といったところでしょうか。これだけの速度があればDVDレベルの動画ファイルであっても、なんの問題もなく転送できるはずです。これまでならUSBメモリにコピー→受け渡し→USBからコピーという手順を経ていたファイルの受け渡しが直接できるのです。

メリットは小さくないと思われます。

Bluetooth 3.0の恩恵は決してPCだけではないはず!

さらに重要なのは、Bluetoothで接続することができる機器は、なにもPCとスマートフォンだけではないということです。

たとえばデジタルオーディオプレイヤー。

これまで、iTunesによるiPodへの楽曲同期はDockをUSBに接続して行わなければなりませんでした。もし、iPodにBluetooth 3.0が搭載されることがあれば、ワイヤレスで同期ができるようになります。

前述の速度がそのまま製品でも可能だとすると、デジタルオーディオプレイヤーであればおおよそ、1曲につき1~2秒で転送できます。アルバム1枚で10~20秒ていどで転送可能となります。

たとえばデジタルカメラ。

撮影した端からPCに転送することができるようになります。現在では一部のデジタル一眼レフにオプションとして高価なワイヤレストランスミッターが用意されているだけですが、同様のシステムをBluetooth 3.0に対応するだけで構築することが可能です。

無線LAN機能を持つメモリーカード・Eye-Fiは非常に便利なのですが、これと同じことをデジタルカメラ本体だけでも出来るようになるでしょう。

このように個人規模でのアドホックによる接続、すなわちPersonal Area Networkが高速になり、さまざまな局面で使用されるようになるはずです。ちょっとした変革として迎えられる、それがBluetooth 3.0となるでしょう。

Bluetoothは途切れない

もうひとつ、Bluetooth 3.0のすでにアナウンスされている機能として、「Enhanced Power Control」というものがあります。

これはポケットやバッグなどにBluetooth機器を入れたときに切断しにくくなるというものです。実際にBluetoothヘッドフォンを使用していると、ちょっとした動きで音楽が途絶えることがよくあります。

このプチ切断を防止する機能で、個人的にはかなり重要なものになるのではないかと考えています。

おそらくはその他の機能やプロファイルにも手が入るのではないかと思われますが、正式なところは4月21日の発表を待ちましょう。


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4 Responses to “Bluetooth 3.0がもたらす高速ワイヤレスの世界”

ワイヤレスな世界 on 4月 16th, 2009 3:39 PM:

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